これはいい。
基本を押さえた堅実な作り。
プロの仕事だ。
ニューヨークの刑事なのにジョン・マクレーンじゃないブルース・ウィリスが、
いやもう、実にいい味で。
もう見るからにやる気なくて、頭髪もなくて、希望もなくて、
目標もなくて、妻とは別れ、腹だけ出てて、足は痛くて、アル中で。
もうどっからでもかかってこいやあ！うらあ！あ、うそうそ、みたいなやけくそふらふら状態。
そんな長時間ドライブで憔悴しきったホーマー・シンプソンなみにしょぼくれたおっさんが、
夜勤明けで眠くて眠くて酒飲んで寝たくてしょうがねえのに自分より若い上司に無理やり、
無闇にポジティブな黒人の証人を留置所から裁判所へ運べよと命令されて始まる、血まみれの逃避行。
これぞ映画！これぞ映画です！
往年の金曜ロードショーなら絶対に水野晴郎先生大絶賛です！
握り拳に顔を描いたみたいなデヴィッド・モースもいつも通り。
ラストを歌で締めるバリー・ホワイトはアリーMYラブやザ・シンプソンズにもゲストで出てきて馴染み深い。
…って、ああ、亡くなってたっけ。ううむ。合掌。
