honkyochiblog

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「アヒルと鴨のコインロッカー」

女子の皆さんに常々言いたいのは、「定期入れ*1は紐やチェーンを使い、物理的に落ちないようにしろ」だ。いや本当、お願いします。
良かった。扱われるテーマは胸が詰まる*2んだけど、全体の出来は良い。これは良い「ああ、あれはそういうことだったの」系ミステリ。
真相が明かされてからの「語り直し」はもうちょい端折れるように思うけども、それも作り手の誠実さの現れかと。
原作未読で唐突に鑑賞を決めたけど、原作読んで挑んでなぜか俺がどうかと思うほどガックリきた「陽気なギャング(略)」とは大違い。なるたけありそうな要素で世界を構築するというアプローチで大正解。というかこうじゃないと厳しい。どう考えても。
(小ネタバレ含みます)
誰が出てくるのかすら知らずに観始めたんで登場するなり「おっ」と思ったけど、松田龍平は成長著しいよね。「ハゲタカ」といいこれといい、破滅を予感させる役をやると実にいい。大塚寧々も実生活での苦労を乗り越え(いや知らないけど、たぶん)、女優として一皮剥けた。主役の子(濱田岳。名前、憶えづらいな…)といい瑛太といい、配役はみんな適役。個人的なことだけど関めぐみは知人の元カノに何となく似てて、そういうのもあって「ああこういう子、いるよな」と思い、やりきれなさに拍車をかけた。定期入れを紐でくくり、護身道具を持ち歩き、タイヤの空気さえ抜いておけば…(活躍しすぎ)
あえて言うなら、「ドルジはすごく優秀」ということでいろいろ乗り切っているのに、あれでは免許とか部屋の更新とか大学の講義とか、どうやって乗り切ってるんだ、かなあ。
ああ、原作では2年前のパートは琴美が語り手なのか。それは泣きそうだ。

*1:など身分特定につながるもの

*2:何度でも書くけど、こういうチンケな悪にはそのチンケさゆえに物語の中といえど凄まじい殺意を覚える。これでもまだ全然手ぬるい。そして正義感の強い、真面目にやってる人が理不尽な目に合うのは、物語の中といえどやはりつらい。