honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

同い年の女性評論家の書いたブ厚い本を(値段が少々高いので)図書館で借り、読もうとしてるんだが、これがもうなかなか読み進められない。

本書は、明治期の新聞・小説・広告などに頻出した、病いや血や女性身体、植民地をめぐる、差別と定型の物語を題材に、日本という国が立ち上がってきた過程をさぐります。さらにそれが、閔妃(朝鮮王妃)暗殺、伊藤博文暗殺、明治天皇暗殺計画としての大逆事件といった、定型をはみ出す「暗殺」の物語になだれ込んでいく過程を追いながら、メディア共同体の欲望、近代の背理をえぐり出します。近代日本の国民国家形成の物語にジェンダー物語論から迫った、気鋭の力作です。

紹介文読んだだけでもとても面白そうだと思うし、読むと実際非常に興味深い*1んだが、とにかく進まない。なんでなんだと思っていたけど、わかった。
原因は「」だ。
ひとつの文章にカギカッコが一定数以上あると途端に進まなくなる。俺だけかな。

ところで、この「芸娼妓解放令」が現れた明治五年とは、「徴兵の詔書」と「徴兵告諭」が出された年でもあった。「国家保護」のために「全国募兵の法」を設けることを「朕が意」として「普く全国に告諭せよ」、という詔に続く「徴兵告諭」のなかでは、国民皆兵を日本古来の兵制と定義づけた上で、「市民」の「平等」や「人権」の「斉一」などがうたわれている。(76p)

ずーっとこんな感じ。いやもちろん、参考文献から引用してるんですよってのは分かりますよ。分かるんだけど。
もうね、個人的には「特攻の拓」なみに読みづらい。

“事故”る奴は‥‥“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったんだよ‥‥

ついつい、ついつい、「別のこと」を始めてしまう。もちろん“店番”(ストアクラーク)もあるんだけどよ‥‥。
今日中にあと270ページ…無理だな…図書館の司書の人に「一度しか延長できませんよ」と言われたし、おとなしく買ってじっくり読んだ方がよさそうだ。
集中力が減退してるのか、そもそも読解力が足りないんじゃないか頭悪いんじゃないかと情けなくなってくるんだけど、こういう研究書(の文体)はこのへん押さえておくとずっと読みやすくなるよってコツとかないのかなー。
速読でも学ぶか。

*1:福沢諭吉が存娼論者、遊郭の存続を主張する人だったということとか。西洋諸国を見習って娼妓をもっと秘密の存在にすべきだ、日本人には「愧ぢ」の感情が足らん、みたいなことを主張してる。存娼論・廃娼論については松沢呉一のこの文章にもちょいとある。http://www.pot.co.jp/matsukuro/archives/2005/04/24/10387 RAAについての話も興味深い。