honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「キューティーハニー」



「結論から言おう」
「結論からお願いします」
サトエリミッチーのどっちかが気になってんなら行くべき」
佐藤江梨子及川光博
「個人的には小日向しえに注目してた」
東京国際ファンタスティック映画祭効果*1ですね」
「その辺は期待を裏切らない」
「ですね」
「そして全体的に言えば」
「はい」
「どうかしてるとしか思えんほど面白おかしいとこと、見解の相違としか言いようがないとこの融合した、熱あるときに見た変な夢みたいな映画だ」
「おかしいところは本当、狂ったようにおかしいですよね」
「おかしい」
「冒頭とか」
「あとミッチー登場シーン全部。小日向しえ登場シーン全部」
「チープさ加減とのギリギリのバランス勝負ですね」


●監督
「意外に聞こえるかも知れんが」
「はいはい」
庵野秀明が監督ってのはまあ正しいと思った」
「反感持ったものとばかり」
「あまたの困難が予想される実写化の中でも、ハニー実写化ってのはもうハードル障害競走みたいなもんで」
「はー」
「『ポップな映画は撮れますか?』『女の子を可愛く撮れますか?』『ギャグは得意ですか?』『アクション演出に新しいアイディアを持っていますか?』『あなたの名前で客が呼べますか?』『予算を引っ張ってこれますか?』『駅はどこですか?』『これはペンですか?』」
「いやいやいや」
「そりゃーもーすっげー色んなことを飛び越えなきゃなんねー。はっきり言って愛や熱意だけではどうにもならん。やーもちろん庵野が全部越えてるとは言わねーけど」
「こんな基準厳しく適用してったらみんな粛清されちゃってペンペン草も生えませんよ」
「しょせん血塗られた道」
金子修介はどうでしょう」
樋口真嗣ってのもどうか」
「なんか因縁深い並びですね」


●キャスティング
サトエリから始まるわけだが」
「はい」
「現実味のない出演者で固めよう、というのが監督の意図かと」
「諸刃の剣の方針ですね」
佐藤江梨子
「他の誰かがやったってどっかから文句出る役だ。知名度とスタイルの良さを考え合わせても他に探すのは難しいということで」
「体柔らかいですよね」
「しかし顔の皮膚はライティングに気を配って綺麗に撮ってやれやって気がした」
「変身後は髪の毛が跳ね上がるイメージがあるんですが」
「似合わないっぽいな」


市川実日子
「娯楽映画での長丁場はキツい」
「ワンポイントで出てくるのがベストでしたよね」
「美術系専門学校の生徒って感じなんだもん」
「見た目がねー」
「しかし無意味にキャスティングが難しい役だぞこれ。警部ったって」
「うーん」
「役柄を変えるか、いっそ麻生久美子に変えるか」
「う…麻生久美子が警部…ふ…普通に観たい…」
「オモチャ箱みたいな世界観にハマるかどうか」
「いや、大丈夫でしょう」


村上淳
「…」
「…」
「…」
「何か一言、お願いします…」
「凍傷にさせるつもりかコラ?」
「ああ」
「寒い!痛ぇ!」
「手足をさすりましょう」
「もう職業、『俳優』から『スケープゴート』にした方がいいんじゃね?」
「罰ゲームですか?」
「本来実日子とお前はサトエリを演技の上でフォローする役回りだろ!足引っ張ってるじゃねえか!松田龍平連れて演技のレッスン受け直せ!いや松田龍平お前は客商売のバイトから始めろ!」
「いや本当」
ミッチーと同じ土俵でキザな役柄を演じるということに対する恐怖心がないのか?」
「監督が現場で判断して『キザ』という属性を外して『バカ』とかにすべきでしたね」
「いや、わかった」
「ん」


及川光博
「記者の役はミッチーにする。ブラック・クロー役と二役」
小日向しえと一緒だ」
「ブラック・クローとの戦いでピンチになったハニーを助ける!」
「かっこいい」
「『ハニー!これを使え!』と何かよくわからんナノテク秘密兵器を投げる!」
「熱い」
「いや突然割って入って『ここは僕が食い止める!ハニー、君はシスター・ジルを倒すんだ!急げ!』と叫ぶのもいい」
「いいー」
「頬の傷に気がついて逆上するブラック・クロー『…人間ごときが、この私の高貴な顔に傷をつけただと!?』」
「もうミッチーの映画だー」
「いやもう相当の濃度でミッチーの映画だし」
「確かに」
「しかしハニーの前に立ちふさがるとこな」
「笑いすぎて気が狂うかと思いましたね」


片桐はいり
「微妙ですよね」
「実際のところこの女優を面白いと思ったことって少ない」
「個性派と呼ぶ以外の何者でもないんですがね」
「ここはひとつ、本気で強そうなのを一人四天王に入れる」
「というと」
女子プロレスラーとか」
神取忍とか?」
「神取は男だが」
「まあまあ」
「ああいや、いいのか。ミッチーがいるんだから、パンサー・クローは性別不詳の集団ってことで」
「そういうことで」
「で、やっぱな、オープニングを飾る敵役だから、出てきた途端爆笑できるほうがいいと思うわけよ」
「なるほど」
「オープニングは空撮!そこにヘリがイン!」
「切りましたね!」
「ヘリの中には美女警部!」
「脚線美からイン!」
「海ほたるに降りた警部は驚く!」
「そこでは!」
「恐ろしげな装甲を身に着けた神取忍が数百台のパトカーに囲まれながら京本政樹を拉致しようとしているではないか!」
「殆ど一緒なのに急に幻覚みたいに!」
「神取には警察自慢の特殊急襲部隊も全く歯が立たない!」
「そりゃそうだ!」
「しかしそこに現れる謎の美女!」
「ヒャッホー!」
「激闘の末神取を倒す!」
「イエス!」
「その名は!」
「その名は!」
キューティーハニー!」
「日本一!」
「いやーほんとに」
「はいはい」
「『チャーリーズ・エンジェル』のオープニングで、ドリュー・バリモアの役の男運の悪さを描くとか、ありえなくね?」
「ありえませんね」
「あそこはあくまで『何者なんですあなたたち!』だろ」
「です(きっぱり)」
「と、いうわけで、観客がこころおきなく爆笑できるよう、チェンジ」
「ご了承ください」


小日向しえ
「唐突に始まる小芝居『ああそうやっぱり男なんてみんなそうよ結局若い女がいいんでしょもう何マスカラ落ちちゃったじゃないアンタ仕事しなさいよ!』がおかしくてな」
「物語的に何の意味もないのにおかしいのがおかしいです」
コバルト・クロー役もとても良いが」
「はいはい」
「あれは例えば松雪泰子でも良いよな」
「松雪さん…ボンデージ…(前屈みに)」
「いや、小日向しえでいいんだけど」


新谷真弓
「声、どっかで聞いたどっかで聞いたと思ってたら」
「『フリクリ』」
「だよな。ハルハラハルコだっけ」
「はにゃーという声ですな。劇団系の女優さん」
「知名度上がるのかな」
「この役の衣装デザインが安野モヨコです」
「どうでもいい」
「すいません」


手塚とおる
「なんだかやけに熱演だ」
「いやらしい感じでよいですね」
「好感度大」
「儲け役ですね」


篠井英介
「これが弱いんだ」
「ささいえいすけ」
「え、しのいって読んでた」
「ささいです」
「経歴的には十分な感じがするんだけど、今ひとつ、役柄と衣装に負けてる感じ」
「紅白の衣装対決みたいな衣装ですよね」
「演劇でこそ映える人という気がしなくもないので」
「はー」
「いっそのこと最終対決は紅白なんだ!と看破して、顔右半分小林幸子、顔左半分美川憲一にする」
あしゅら男爵ー」
「もしくは」
「まだ何か?」
「『永遠の美』を求めるという観点で」
「観点で」
美輪明宏
「おおー」
「その場合の執事役は」
「執事役は」
假屋崎省吾
ブラボー」
「どうよ」
「シスター・ジルが植物っぽいって設定が絶妙に生かされますね」
「ぬははは」
「では雑魚キャラの手下集団は」
「ん」
デューク更家先生に統括していただきましょう」
「分かってきたようだな」
「1万人でデュークウォーク!」
「んでえ、シスター・ジルの専属ヘアメイクは藤原美智子先生」
「当然」
「傍らでは叶姉妹が肌も露わな格好でハープを奏でる」
「もう役がないですけど、じゃあまあ、叶姉妹って役で」




「とまあこんな感じの映画が」
「はい」
「毎年正月にやってればいい」
「風物詩ですね」
「『今年のハニー、松浦亜弥だってよ!』とか」
「ハニーあやや
「そういう感じ」
「国民として誇らしいですね」

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*1:ゲストで来た。2003年11月2日。