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厄介者

わが町には、というか、店から目と鼻の先のエリアには、明らかに頭がどうかしちゃってる男が二人いる。
どちらも中学や高校を出て以来働いたことがなく、年老いた母親の無闇な庇護のもと、犯罪にまみれた一人暮らしを満喫している。
昨日、その碌でなしの、「毎日町を巡回して他人の郵便ポストを漁る禿」の方が捕まった。
そいつがいつものように、住んでる九龍城みたいなマンションの郵便ポスト(全部の部屋のが並んでいるタイプ。あまりにも頻繁にこじ開けられたりするので、頭にきてダイヤル式の錠前と南京錠を五つほどつけた家もある)を漁っていたところ、同じくそこに住んでいる女性の彼氏に発見され、慌てて逃げ込んだ先の104円(税込み)ショップで追いつかれて組み伏せられ、あえなく御用に。「ポストには触ったけど、何も盗ってない」みたいなことを警官相手にぶつぶつ言っていたが、まあ現行犯だし、というかその程度の言い訳じゃ厳しいだろう。もっとぶっ飛んだこと言えよ。「ポストと愛し合ってる。全ては合意の上」とか。
そのマンションでは、各種請求書や払い込み用紙が軒並みなくなるので住民全員がいろんなものの料金を滞納している状態になり、さらに送られてくる支払い督促までなくなるという地獄の未納スパイラルに一時期はまり、各自で局留めを依頼する等の対応を余儀なくされたそうな。
こいつには昔うちもやられていて、ちょっとムカッときたので数年がかりで動向を監視させて貰っている。
ある日、家に入ろうとしたらちょうどそいつが手ぶらでポストの前から離れるとこで、「何やってんだ」と思わず声かけたら目を反らして口元を歪めて笑って「何もしてねえよ」と吐き捨てて逃げてって、数日後、ポストの下のタイルがきっちり二枚割られていた。
警察の見解は聞く前から薄々分かっていた「証拠がないとねー。それか現行犯じゃないとー」という正論かつやる気に満ち溢れたもので、次の瞬間防犯カメラおよび記録用のパソコンを入手することにし、監視用のフリーソフトをダウンロードし、2週間ほどでシステムを構築した。だがそいつがカメラの前に現れることはなく、結局現場を押さえることは出来ずに何年も経過した。
そしてつい最近、そのときカメラ設置を依頼した近所の電気工事屋さんも、仕事を終えて車を駐車場に停めようとしたところ、そいつが駐車スペースでビニール袋の中身をごそごそやってる(おそらく仕分けだろう)現場に出くわし、「何してるんだ。危ないじゃないか」と声をかけたところ脱兎のごとく逃げ出し、翌朝仕事に行こうとしたら、車の側面に引っ掻き傷が無数に付くという目に合った。今は覚醒してテレパシー能力があるので、警察の見解など聞くまでもないので、さらに複雑な別のシステムを構築して、網にかかるのを待つことにした、その矢先にこれだ。なんてかっこいいんだ、彼氏。ああ、俺の獲物が。
ま、釈放されてもどうせまたやる(こないだも近所の南米系スーパーで万引きして捕まったそうな)ので、網は張ったままにする。
ちなみにもう一人の「突然暴れまわる巨漢」の方は去年自宅の隣の商店で暴れて警官が来ると車で逃げ出し(免許持ってんだよな、こいつ。運転するのは親の車)パトカーで追跡されて捕まり裁判にかけられ有罪になり服役し、出てきてまた引きこもり、隣の商店との隙間にゴミを山のように捨てたりしつつ、反撃の機会を伺っている様子。
このように、一見平和なこの町で、今日も見えない神経戦が繰り広げられているのである。
なぜか二人とも、偶然、同じ苗字だったりする。