店に来たら何か様子がおかしい。
歩道に段ボールが四つ転がってる。ミネラルウォーターのペットボトルが6本入っているやつ。二つは中身が空で残りは手つかず。フタも散らばっている。
そして店の敷地内が水びたし。
振り向くと、道路をはさんで斜向かいにあるキングジョーさん（仮名）の家の前がえらいことになっている。
同じ段ボールが二十箱ほど、それに空のペットボトルとドリンク剤の瓶が散乱し、
缶ジュースがピラミッド型に積み上げてある。
ああ。またキングジョーさん（仮名）がおかしくなってしまった。
見た目はただの小柄なおばさんなんだけど。服装が少し派手かな？程度の。
何年か前に引っ越してきてからおかしくなっちゃってこころの病院はいっておくすりを飲んでおとなしくなって出てきたんだけど飲むのをやめちゃったらしくて。おおいなぜやめる。
近所の人の話では、昨日の真夜中から、道路で歌いながら踊っていたそうだ。車が来たらよけながら。
そして2ブロック向こうまで歩道に水を撒いて、タクシーに乗ってどっか行ってしまったそうな。
電力会社の車が来た。
早朝、タクシーに乗ってやって来たキングジョーさん（仮名）に来いと言われたらしい。
本人不在で困ってる電力会社の人に一応「気をつけて」と言う。そんなん言われても困るよな。泣きそうだ。
そこに本人がタクシーに乗って帰ってきた。
真っ暗な家の中に入れと促している。うああ。俺なら表で用件伺いますって言う。
続けてガス会社の車がサイレン鳴らしながら来たが、どこだか分からないのかウロウロしている。
本人は全く気にせず散乱している段ボールを片付け始めている。
結局ガス会社も呼んだのはキングジョーさん（仮名）だった。何年か前もそうだった。「ガスが漏れている」とさわいだのだ。漏れてなんかいなかった。
電力会社もガス会社も帰っていった。
そして一度は中に片付けた段ボールをまた歩道に出し始めた。
宅配便のトラックが停まって、スイカの入った箱を四つ降ろした。
降ろしたが、宅配の兄ちゃんが帰れずにいる。
しばらくの押し問答ののち、兄ちゃんがとうとう大声をあげた。
「伝票はどこにあるかって聞いてるんですよ！」
すぐ次の荷物を運ばなきゃいけないんだろうに。暑いのにかわいそすぎる。
傘で路上駐車の車を叩きはじめた。
道路の真ん中にバケツと段ボールと百円ショップの傘を組み合わせたものを設置した。車が迂回してる。
（以降、更新が長い間途絶えたら、ああ何かあったんだなー、と察してください。てかどうしたらいいでしょういやマジで。何年か前も買い物かごの中に包丁入れてウロウロしてたんでちょっと不安で。警察？「何かあってからじゃないと私らも動けないんですよねー」って鼻くそほじりながらまた言われるんだ「早くプリコグ導入を！」って政府に嘆願するしかないのかうああそんなの）
