honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「子供の頃から楽天イーグルスのファンだった奴集合!」

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833 :代打名無し@実況は実況板で :2005/04/05(火) 14:36:38 ID:MbVOJT3d0
>>820
おお、その名前を覚えてるとは、お前も相当な通だな。
初のポーランド出身選手「アルカディアシュ・タノスィーカ」
ユダヤ人迫害を逃れて1944年に来日したんだよな。
舞鶴時代を担った名選手だったけど、祖国復興の為に
泣く泣く帰って行ったってのを伝記「我が第二の故郷〜楽天〜」(民明書房刊)で読んだ。

837 :代打名無し@実況は実況板で :sage :2005/04/05(火) 17:24:30 ID:MsmwxOU50
Aタノスィーカ「我が第二の故郷〜楽天〜」(民明書房刊)
※最終章「大いなる喜びと共に私は祖国へ帰る決心をした」より

フィッツジェラルド(以下フィッツ)「母国に帰るそうだな。アル」
タノスィーカ「ああ。チームが苦境にあるなか、心苦しいんだが…
ポーランドは僕の祖国だからな。見捨てるわけにはいかない」
フィッツ「その…なんて言えばいいのかな…あえて一言も触れなかったんだが…」
タノスィーカ「何もいうなよ。カール」
フィッツ「いや、俺はドイツ人として……心から……きみに…きみたちに…すまなかった」
タノスィーカ「やめろよカール。泣かないでくれ……初めは恨んでた…カールがドイツ人だということ。
初めは憎んでた…きみがドイツ人だから。だけど、もういいんだ。僕が憎んでいるのはきみでもナチスでもなかった」
フィッツ「じゃあ、なんだい?アルが憎むのは?」
タノスィーカ「人間の愚かさだよ。憎しみの連鎖だ。人種と国籍に関係なく、多くの人が死んでしまった…
戦争はみんなの起こした犯罪だ。これはみんなの犯した罪なんだよ…!
でも…でも僕はすべてを許すことにする。そこから始めたいんだ。僕らの子供たちのために」
フィッツ「アル…」
タノスィーカ「覚えているかいカール?初めてアベックホームランを打った夜のことを」
フィッツ「もちろんさ!」
タノスィーカ「あの試合、ホームベースできみと握手した瞬間…ベンチでチームメイトに祝福を受けたとき、
僕にははっきりわかったんだ。野球はなんて素晴らしいんだろう!僕はなんて幸福なんだろう!とね。
僕は故郷の人々にこの喜びを伝えたい。人間はいつだって前に進めることを伝えたい。仲間と一緒ならできるってこと」
フィッツ「また会おう。いつかザルツブルグに招待するよ。とびっきりの酒場があるんだ」
タノスィーカ「きみのことは絶対に忘れないよ…日本のことも…楽天のことも…」
フィッツ「楽天のことは任せとけ!心配すんな。残り試合、全勝して必ず優勝してやる!」
タノスィーカ「じゃあ、祝杯はそのときのためにとっておくよ!もう船がでる…さようならカール。僕の…僕の友達!」

857 :代打名無し@実況は実況板で :2005/04/06(水) 02:22:18 ID:LeqVkB5qO
うわぁぁん!(つД`)゜・.゜.
もちろん優勝パーティにタノスィーカは来たよね!?

865 :代打名無し@実況は実況板で :2005/04/06(水) 14:06:08 ID:qHZOauSQ0
>>857
帰国後、ポーランド共産党幹部として指導者的役割についたタノスィーカにとって、
新たに出現した東西冷戦の壁はとてつもなく厚いものだった。
米国主導の反共政策により、西側渡航を著しく制限された彼が、
再び日本の土を踏むことなどは夢のまた夢であった。

彼の持ち物の中に、一冊の黄ばんだ日本の新聞紙がある。
その記事の片隅に、扱いも小さく「楽天優勝」という文字が並んでいた。
彼にとって、日本の新聞紙一つ手に入れるのにも非常に困難だったことは想像に難くない。
しかし、彼が生涯それを大事に保管し続けたことは、紛れもない事実であった。

彼が生涯無二の親友、フィッツジェラルドと再び堅い握手を交わすためには、
ベルリンの壁崩壊の年である1989年を待たなくてはならなかった。
彼らが再会を約束し、暫しの別れを惜しんでから、実に40年の歳月が流れていた。

ザルツブルグのとある酒場には、古ぼけ、ありふれたドイツワインが一本、今でも飾られている。
店の常連客たちは知っている。
そのワインが、アルとカール、二人のための物だということを。
そして、今ではもう二度と開けられることのないそのワインが、
二人の友情の証として永遠に語り継がれていくだろう、ということを。

自分はタノスィーカのことをヤンジャンの「栄光なき天才たち」で初めて知った気がする。
単行本に掲載されてないのがつくづく惜しまれる。あれは泣けた。
(私はこれを切込隊長BLOG(ブログ)で知っただろう、ということを)