(いきなり床がチェーンソーで切り裂かれ)
「ドーン!」
「えっ」
(そこから先生が登場)
「オブザデーッド!」
「いやいやいや」
「(唇を震わせチェーンソーの真似)ぶぶぶぶぶぶぶぶ」
「違う映画ですよ今日は」
「予告篇やってたな!『ドーン・オブ・ザ・デッド』!今週末からだ!」
「ああ、この劇場でですね」
「見ろ!ロビーが夢のようだ!ガスマスクにホッケーマスクも展示してある!」
「ホラー特集ですからね」
「夏はホラーに限るな!ぶぶぶぶぶぶ」
「先生そのチェーンソー自作で」
「ったりめえよ。ペットボトルと輪ゴムとマブチモーターでな」
「ノコギリ部分がちゃんと可動しますね」
「忸怩たる思いだ」
「どうしました」
「大方のチェーンソーは電動じゃねえ」
「はあ」
「ガソリンで動くんだ」
「まあでも」
「いやいや、妥協は許されん」
「なかなか険しい道ですね」
「まあそんなわけでこの映画」
「はいはい」
「ま、こんなもんかなって感じだ。いや、いい意味で」
「リメイクは難しいですからね」
「CG丸分かりとかのフザケたカットもなくまずは御の字」
「オリジナルは観てるうちにだんだん笑えるようになってきたもんですけど、そういうことはあんまなかったですね」
「ただまあなんちゅーか」
「なんでしょう」
「R・リー・アーメイの印象が強すぎてな」
「鬼軍曹俳優。『マテリアル・ウーマン』以来ですね」
(続く)