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ブラッキー「役者は作品を疑わない」(〜鈴木みそ『おとなのしくみ』④「ブラッキーブルース」より)

「作る側と紹介する側には見えないけど深い川が横たわってる。
役者は作品を疑わない。どんな内容だろうとその世界を信じて最高の演技をすればいい。
自分が光ればそれでいい世界だ。
でも編集はたえず疑う。
この作品は本当に面白いのか。何が新しいのか。どこが欠点か。
オレは面白かったが他の人は面白いのか。
たえず自問自答をくり返す仕事だ。正反対なんだよ。
もう…渡っちまったんだ」

状況を説明すると、売れない役者(ゲームキャラは役者としてゲームに出演しているという設定)、ブラッキーが経験を買われて「ファミ通」みたいな雑誌にバイトとして雇われるんですよ。ゲーム紹介の記事とかやって、文章の仕事もだんだん評判がよくなって、正社員として雇われそうになったまさにその時、役者の仕事の依頼が来ちゃって。
で、奥さん(元キノピオ役の女優)に向かって電話で言うのが上のセリフです。
このブラッキーのシリーズは全部いいです。
ブラッキーの住むアパートの描写といい、編集の人の忠告といい。
実際に役者の人が読んだら涙なくしては読めない感じ。
ブラッキー、子供いるんすよ…