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さようなら、はてなグループ…

『バーンズとリサのリサイクル大作戦』(未完成)

(原題『THE OLD MAN AND THE LISA』)4F17
脚本ジョン・シュワルツウェルダー/演出マーク・カークランド

◎シンプソン家・外観(夜明け)

◎シンプソン家・寝室
 

◎シンプソン家・居間
 
ナレーション「さあ、『ドラキュラ、海軍に入る』の結末とは…」

◎シンプソン家・台所
 
 
ホーマー「アア?」
マージ「(あくびして)リサ!朝っぱらから何やってるの?!」
リサ「学校の子供ビジネスクラブの活動で
  リサイクルをやることになったの」
バート「リサイクルなんてくっだらねえ!
  太陽が燃えつきたら地球は終わるんだ!
  再生品なんか使ってられるかよ!」
マージ「ママは素晴しいことだと思うわ!」
 
リサ「ママ!ポリエチレンとポリウレタン混ぜちゃだめよ!」
ホーマー「(なぜかオロオロして)マージ!」
マージ「あらごめんなさい!」
リサ「それとこれはちゃんと切らないと動物がはさまっちゃう!」
バート「トロいやつだけな!」
リサ「もう少し紙がないかな」
ホーマー「紙?紙なら腐るほどあるよ!」

リサ「パーパ!リサイクルは遊びじゃないのよ!真面目にやって!」
ホーマー「オウ。わかった」
 ホーマー、苦汁に満ちた表情で本を捨てようとするが、
 ついニヤニヤしてしまう。

スプリングフィールド小学校・外観
スキナー校長の声「いっぱい集まったね!」

スプリングフィールド小学校・教室内
 
スキナー「みんなえらい!これを全部換金したら、
  オルバニーまで旅行に行けるぞ!」
一同「イエーイ!」
スキナー「さて。今日は、お客さまを迎えて、
  ためになるお話を聞きます。ビジネスのお話です。
  モンゴメリー・バーンズさんどうぞ!」
 バーンズ、手を上げながら入ってくるが、スキナー以外、
 ほとんど誰も、拍手をしない。
バーンズ「では、手短に話す。家族、宗教、友情。
  成功したければこの三つは排除せねばならない。
  チャンスが来た時、妻の出産で呼び出されたり、
  教会で祈るのは嫌だろう?仕事が、最優先だ。質問は?」
 
スキナー「あのー…子供たちは興味ないようですが、
  私はぜひ知りたいことが…あー、ハードワークと持久力と、
  どっちが大事でしょう?」
バーンズ「…まともな質問はないのか?」
リサ「はい!原発は何かリサイクルしてますか?」
バーンズ「リ…サイクル…だと?」
 バーンズの頭の中にある辞書のRの欄に、そんな言葉はない。
バーンズ「私の辞書にはそういう言葉はないな、お嬢ちゃん」
リサ「(鼻で笑い)リサイクル知らないんですか?
  資源を節約するため物を再利用するの」
バーンズ「ほう、地球に優しくということか!
  地球は日照り、洪水、細菌などで人間を苦しめてきた!
  旗色が悪くなったから、今さら優しくしてほしいなど!
  あまりにもムシがよすぎる!」
リサ「自然は敵じゃないわ!」
バーンズ「自然などなくとも生きていける!」
リサ「それは違うでしょう!」
バーンズ「(ビックリして振り向いて)違う?」
スミサーズ「(前に出てきて)社長に向かってなんてことを!」
バーンズ「あー、(スミサーズの肩に手を掛け)私に任せなさい。
  (前に出て)ヘッハハッ!お黙りなさい!
  今のような反対意見を聞いていたら、
  2億ドルの財産は築けなかった!」
リサ「バーンズさんの最新の伝記には(とその本を出し)、
  財産は1億って書いてあったけど?」
バーンズ「1億…?え、そん…う…バ…」
  バーンズ、振り向いてスミサーズを見ると
スミサーズ「ああ…いえ実のところ…それよりも少ないかと…」
バーンズ「…では…失礼する…」
 そそくさと退散するバーンズとスミサーズ。
 スキナー、拍手をしながら立ち上がり、明るく
スキナー「バーンズさんに拍手を!」

スプリングフィールド原発・社長室
 
バーンズ「君らを呼んだのは他でもない。正直に言え。
  私の財産の状況は?」
弁護士A「良好です!」
弁護士B「良好です!」
スミサーズ「だ、そうです」
バーンズ「では、株の評価額をチェックしてみよう」
 
バーンズ「フム…南部奴隷商会の株は?」
弁護士A「あれは…安定しています!」
スミサーズ「社長が選んだ株です。下がるわけがありません!」
 同意する弁護士たち。
バーンズ「では…相場表示機を見てみるか」
 相場表示機から出てくるテープ状の紙
 (隣の部屋を一杯にしている)を手に取って見るバーンズ。
バーンズ「ああ…最後に見たのはいつだったか…29年の9月…?
  (驚いて)ああ何で!…(たぐって)ああどうして!
  (たぐって)ああ馬鹿な!(スミサーズに向かって)
  なぜ大暴落したことを黙っていた!!」
スミサーズ「ああ…わたしが生まれる25年も前のことですから…」
バーンズ「いつもその言い訳を使って!
  早いところ損を取り戻さねばな!積極的な戦略を使うぞ!」
弁護士たち「よいお考えです!」
バーンズ「財産の半分を優良株に替えろ!ツェッペリン飛行船!
  ゲートル製造!漢方製薬!アメリカマグサム(聞き取り出来ず)
  残りは急成長しているオペラハットにつぎ込め!
  これなら絶対に儲かるな!」
弁護士たち「あー…もちろんです」
スミサーズ「安定株ばかりです!」
 バーンズが去ると、全員で心配そうに顔を見合わせる。

◎リサイクルセンター
 子供たちの前で、大量の古新聞などを置くスキナーに、
 センターの係、ヒッピーが小さな小切手を渡す。
スキナー「新聞紙0・5トンが75セント?!ハッ!
  新聞を括るヒモを買いに行ったガソリン代にも
  ならないじゃないか!まったく!」
ヒッピー「車の維持費のために働くなんてバカだよ!
  歩きましょうよ!みんなで!」
 スキナー、背を向け、いまいましげな表情で
スキナー「ああ!しょうがないな!」
 子供たちを車に乗せつつ
スキナー「すまんな!オルバニー旅行は中止!
  リサイクルもやめる!」
 子供たち、残念そうな声を上げる。

 運転席に座ったスキナー、小切手をクシャクシャに丸め、
 窓の外に投げ捨てる。
リサ「でもあたしたちが集めた新聞紙で木を一本救えたわ!」
 スキナー、車をバックで急発進させ、敷地内の木にぶつけて倒し、
ラルフ「あー!ママ、助けて!」
 猛スピードで出て行く。

スプリングフィールド原発・社長室
 急降下したことを示すグラフ。
バーンズ「全財産無くなっただと!」
 頷く弁護士たち。
バーンズ「なんで!私の戦略は完璧だったはずだ!
弁護士たち「」「」「」
スミサーズ「百点満点です!」
 
バーンズ「…そうかお前たちは、無能なイエスマンか…
  私が間違ったことをしても、注意する勇気がなかった、
  そうだろ?」
弁護士たち「」「」「」
スミサーズ「その通りです!」
バーンズ「では最後の作戦!原発を抵当に入れろ!」
スミサーズ「それが…すでに抵当に取られております…
  社長のお宅も…」
バーンズ「…では…どうすればいい…?」
スミサーズ「まず…銀行に取られた家から出なければ…
  さ、お支度を…」
バーンズ「あああ…」
 スミサーズに手を取られトボトボと社長室を後にするバーンズ。