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さようなら、はてなグループ…

ぼくのかんがえた崖の上のポニョのクライマックス

孤島と化した自宅から、ポニョの魔法で大きくしたおもちゃのボートを操縦し、宗介は母の元へと出発する。
しかし、燃料たるロウソクが底を尽き、ポニョも疲れて屋根の上で爆睡しているため、宗介は水につかり、ボートをバタ足で押し始める。
かなり頑張るが、そこは5歳児の悲しさ、根性で向こう岸にはどうにか辿り着くが、ポニョが目を覚ました頃には、長時間水に浸かっていたことによる体温低下で、宗介は死にかかっている。
ポニョ、意識の戻らない宗介を抱えて目的地に急ぐ。
だが、水から離れれば離れるほど、ポニョは自分が魚に戻ってしまうことに気づく。
ようやく辿り着いた目的地は水没していて、宗介の母親も老人たちも「生と死のはざま」にいる。
ポニョの両親は言う。「お前が命の水をこぼして魔法を使いまくったせいで、全ての境界はなくなってしまった。しかし人間は水に浸かったままでは生きられず、我々もまた陸上では生きられない。だから、どうしても宗介と一緒になりたければ、魔法を捨て、命の水を戻しなさい。そうして世界を元に戻し、はい、ここからは三択です」

1・完全に人間になるが、声を失う
2・逆に宗介の方を魚にする
3・成長できなくなる

宗介「…」
駿「3で」
宗介「…じゃあ、3で」
ポニョ「じゃあ3」
観客「いま何かノイズが…」大きいお友達「開き直りやがった…」
宗介「大人になったら、この経験をアニメにするよ」
駿「世界を救うため、しぶしぶ幼女を愛します」
観客「世界を救うためなら、しかたないな」大きいお友達「これが格の違いってやつか…」

「クライマーズ・ハイ」

題材と役者は素晴らしいんだけど、監督が独自につけたっぽいとこがなあ。堤真一が決断する時にインサートされる「母親と映画を見るイメージ」とか曲「モナリサ」の挿入っぷりとかは「え?そこにそれっすか?」という感じだし、「敢えて」悪くしてる滑舌とかもどうもね。「おおくぼれんせき」っていきなり言われても「大久保清連合赤軍」のことだってわからないし、「当時」と「現在」の繋ぎ方もせっかく没入してるのに興ざめな感じで。ついでにいえばタイトルのフォントだって話にはそぐわない妙なかっこよさで、どうかと思う。
しかし、それでもなお「大変な事態になった!」という演出にはゾクゾクくる。一触即発の場面の演出にも。
情報戦というかもはや諜報戦。いい。実に。
そういうのだけ丹念に積み重ねていけばいいのに。
どの役者も素晴らしいんだけど、かわいそうな役を地味に演じる西田尚美だけは「何か勿体ない…」という気になってしまうね。