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「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」


史実に則った再現ドラマなのかと思ったら驚くほど私小説的というか、感覚的なつなぎ方を駆使するマドンナ監督作は、マドンナのファンが、マドンナと交感するさまを描く、マドンナファンのブログ(「コメント欄が炎上?知ったこっちゃないわ!」)みたいな映画に仕上がって…いやいやでもこれ、すごくしっくりくる手法だったな。綱渡りに失敗するとどうにもならなくなる危険な手だし、次のもその次のもずっとこんな感じだとほんと困るけど、この話に関しては歴史物として描く/眺めさせるのではなく、主題を監督と観客に引き寄せるという意味で実に良かった。ともあれ何だかとにかく「マドンナ張るのもハンパじゃねえんだよ!」というマドンナ自身の気合いが伝わってくるので正座せざるを得ないというか。ここまで私小説寄りなのに退屈しないのは、いかにマドンナの日常が緊張と抑制で自らを絞り上げて成果を出し、その後ワーッとみんなで騒いで「じゃあまた明日!がんばろう!」「ウッス!」と周囲をグイグイ引っ張っていくものなのかという。いやすごいよね。実際に会ったらマドンナさんと呼んでしまいそうだ。周囲はどんな呼び方してるんだろ。