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「マン・オン・ワイヤー」

滑り込み。一月たっててもまだ上映してるって、これはヒットしてるってことかな。実際結構埋まってた。


21世紀になって、そう、まさに911テロこのかた、映画における「地獄絵図のインフレ」は留まることを知らないわけで。
あの日、たくさんの人が生中継で地獄を見ちゃったからね。もっと凄いものを、もっと凄いものじゃないとあれを越えることは出来ないぞと。とまあそんなこんなで、CGを駆使してどんな地獄でもお届けすることが出来るようになりました。が。
人間はすぐに飽きる生き物だ。地獄絵図にも飽きてくる。地獄じゃなくて凄いのないの?
そんなあなたにおすすめするのが、こちらの「実際にやっちゃってる」シリーズです。オン・ワイヤーシリーズ最新作でもあります。
今をさかのぼること30年ほど前、ジャンボジェットがビルに突っ込むテロが起こるなんて誰も想像もしてない頃、ビルがただのビルだった頃、ニューヨークはワールド・トレード・センターのツインタワー(地上411メートル。東京タワーより高い)の屋上にワイヤーを渡して、その上を綱渡りで歩いた男がおりました。命綱無し。まさに狂気の世界。もちろん完全に違法。模型まで作るとかもうね。ナバロンの要塞落とすみたいな意気込み。
完全に違法なのもさることながら、計画に参加したメンバーのインタビューでの悪びれなさに笑った。爽やかすぎる。登場カットの無闇なかっこよさ(黒バックで回転しつついい音楽流れたり)にも笑う。あ、音楽担当はマイケル・ナイマンだ!
ドキュメンタリーを見るときの個人的基準「その対象がメーター振り切っているかどうか」も難なくパス。
何よりさ、若い頃の顔が実にいたずらっ子な感じでいいんだよね。彼女との関係も実にフランス映画チックで良い。