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「モンタナ・ジョー―マフィアのドンになった日本人」

よーうやく読み終わった。

モンタナ・ジョー―マフィアのドンになった日本人

モンタナ・ジョー―マフィアのドンになった日本人

サンフランシスコの農場で生まれ、厳格な父に反抗して家出、
イカサマ賭博の腕を磨きつつの放浪ののち戦争になり日系人収容所送り、
そこで日系人部隊に志願し累積死傷率330%という倍率を潜り抜けて地獄のヨーロッパ戦線でドイツ軍と戦い、
帰国してからひょんなことからイタリアンマフィアの一員となって大幹部までのし上がるも、
ボスに見限られ頭に三発の銃弾を浴びつつ生き残り、証人保護プログラムに入るところまでを描く。
FBI側からの視点が多い映画「TOKYO JOE」とこの本で、かなり全体を把握できるようになった。
作者がジョーに心酔していると見えて、映画で描かれてた「三回結婚して、女を自分好みに整形させてた」とかの「そりゃひでえ」という話は無くて、逆に「TOKYO JOE」には全く出てこないキャラ立ちまくりの「モンタナ七人衆」など、チームの冷静沈着なボスとしての側面が大きく取り上げられている。
緻密な取材を経つつ、会話はかなり想像で書いているらしく、かなり小説や映画っぽい。
でもまあそのおかげでかなり読みやすく、かつそれぞれの心情も理解しやすくなってるので難しいところ。
しかしまあとにかく、物凄い数の人が死んでるよこれ。蜂の巣になって死ぬか、急所を確実に撃ち抜かれて死ぬかくらいの違いで。
焦土と化した横浜を離れ、米兵に嫁いでシカゴに来たものの極度の貧困と夫の暴力に耐えかね逃げ込んだレストランでジョーの片腕エディ上原に見初められて同棲を始めるも、抗争に巻き込まれてジョーの誕生日パーティーの日にドア越しに機関銃で撃たれて死んでしまう雪子さん、あまりに薄幸なので映画化の際はそれなりの女優が演じて欲しい。出番は数ページだけど、そこをなんとか。