honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「ソウ/SAW」

(気がつくと密室で鎖に繋がれている)
「ここはどこだ!いったい誰がこんなことを!どうして俺がこんな目に!」
「とまあそんなわけで」
「『ジョーズ JAWS』に続く『AW』シリーズ最新作!『ソウ/SAW』!」
「…言えばいいってもんでもないですね」
「単語だとボケづらいしな」
「わざわざ頭を捻るのも、何というか、実に優雅すぎますよね」
「やめりゃいいだけの話だが」
「いやほんとに」
「ここまで来て引き返せるか!」
「どこまで来たんですかね」
「まあそんなわけで」
「始めますか」
「ゲームをな!」


(【退避勧告】以下の会話はネタバレを…いや、ネタバレしか含みません!観る価値はある!ので気になってるならとりあえず劇場に行け!行くんだ!妻と娘がどうなってもいいのか!【退避勧告】)






(警告はしたぞ!)






「気がついたら密室で鎖に繋がれてて、死体があって、で反対側にも同じような目に合ってるのがいて…ってツカミはいいよな」
「こうしていそいそと劇場行った訳ですしね」
「でポスター見るに『自分の足を自分でノコギリで切る羽目になるのか!』とゾッとする寸法だ」
「ま、それで来なくなっちゃう人もかなりいそうですが」
「鑑賞後に豚足食いに行くぐらいの気合いでないといかんのだ!」
「そんな悪食な」
「よし行くぞー。ここまで来て『バラしやがって!』とか言っても先生知らんからなー」
「はいどうぞー」
「はい先生からいきなり報告がありまーす」
「何でしょうー」
「始まってすぐ、『動いてない!死体だ!』って若僧が言うとこで、死体の人が呼吸をしてるのに先生気づいてしまいましたー」
「うーん」
「カメラ固定して撮影したカットだと目立つんだ。どうにか我慢させたとこだけ使ってカット割るなり、引きは手持ちで撮るなり、どうにか逃げとくべきだった。世の中には映画の死体をジッと見てしまう性分の人間もいるのだ」
「そんな意地悪な」
「『ファイトクラブ』で頭を撃たれて死んだミートローフが台の上で呼吸してたり『ダイハード』でカールの弟の死体の頭にハンスが触れるカットで目が動くいてたりするのを発見したりな」
「映画に没頭してるんですか?」
「決まってるだろ!してるからこそ『本当に死んじゃったのか?』と凝視してしまうのだ」
「うーん…」
「しかし余計な事に気づいちまったと頭を抱えた。不幸以外の何物でもない」
「まあまあまあまあ。まあそれは置いておきましょう」
「よし。置いた」




この後大体以下のようなことを話すつもりでした。
まとめると展開の面白さを優先して整合性をないがしろにしてしまったのが惜しいとかそんな感想で。
じゃあ整合性をもたせて今以上に「面白く」なるか?と言われるとこれがまた悩み所であったり。
大好物なジャンルなんで理想が高いんすね。

良い点

  • 趣向を凝らした死の罠がいろいろ出てくる
  • 刑事コンビ側と密室側の時制をズラして話に膨らみを持たせた
  • 美術セット、撮影はダークな雰囲気が良く出てる

どうかと思う点

  • パニックを表現する早回し演出がウザい。効果的とは思えない。
  • タイムリミット感の薄さ。「あっ6時だ」って感じでは…。ラスト10分とかはやはりリアルタイムかと。
  • 「カギは最初のシーンで排水溝に流れた」と言われても…。ちゃんと意識がある時にミスをしてカギを捨てちゃったのに気が付かず「あーあれがカギだったのかー」って悔しがるって感じじゃないと。
  • 雑役夫、医者(の足切断)とか、動機がしっくり来なすぎ。追い詰められてる感が薄い。
  • 犯人の設定、その動機、潜み方に無理がある。
  • カメラマンに銃弾が支給されてなく(ないよね?)、公平さ(ゲーム性というか)を欠く
  • カメラマンの拉致直前場面の回想にあまり意味も次の展開へのヒントもない。
  • 犯人とのゲームに唯一勝った女性の話があまりヒントにならないところ。
  • 入院してた(あれは通院じゃないよね)のに行動範囲の広い犯人。
  • 犯人が雑役夫の行動上のミスを逐一監視出来ない。
  • その雑役夫に医者とカメラマン、医者の妻と娘の監視をさせる。
  • 犯人は、医者とカメラマンを標的に選ぶに当たり、元刑事がカメラマンに撮影を依頼したという事を知っていたのだとしたら、その元刑事に対する処置を犯人が今イチ取ってないのが気になるんだが…
  • 「効き目が遅く、解毒剤を犯人しか持ってない毒」「血につけると毒になる物質」等、都合のいい物質が頻出する(血の方は従うかどうかを試すためのフェイクとしても)
  • アジトにも罠仕掛けられた人がいたのは…?それ用の会場を用意しなかった理由は
  • テープレコーダーの使用が一回きりなこと。手紙じゃ駄目な理由があるのかと。(→別の利用法へ発展させられると思うのだけど。例えば…手紙に封をしたセロハンテープをカセットテープの爪折ったとこに貼ってメッセージを吹き込むとか…)
  • あと下水処理施設という使えそうな舞台設定を生かせなかったこと。6時になったら下水で一杯になる、とかじゃ駄目ですかね?

あと、個人的な意見で恐縮ですが、カカトを少しと足首周りの出っ張った所を削げば(いやそれも辛いけど)あの枷からぬけられるを思うんですよ。
足切断するよりは、そっちの方が良くないですかね?「気が動転してるんだ!」って言われればそれまでなんですが。
さらに、超下らないことなんですが、犯人は急にオナラがしたくなったり、「ホントにこいつ死んでんのかなあ?」とトイレのタンクの蓋とか投げつけられる可能性を全く考慮してないんですかね?
死ぬかもしれんかったら俺だったら何でも試すけど。

><