honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

それはそれとして

皆、山寺宏一のことを忘れがちだ。


イノセンス」の話だ。
これだけ大勢の人が観て日記に書いてて、殆ど全くと言っていいほど山寺宏一に関する記述がない*1のは驚くことだ。
俺が映画を観てる最中も全く山寺宏一の顔が浮かばなかった。
あんなにテレビで露出してるのに。
上映前に予告やってた「シュレック」の吹き替え担当のダウンタウン浜田とはえらい違いだ。
あの後ろ髪が長くて(未来に流行るのかなぁあの髪形。やだなぁ)、「そろそろ仕事の話しない?」とボヤいて観客の共感を呼ぶ刑事は確実に映画の中に存在していたのだ。
まさにプロの仕事だ。
では(軽く咳払い)失礼して、


「有名人だというだけで声優に挑戦する者は山寺宏一の爪の垢を煎じて飲むべきだ。
また、彼らはただ飲んで終わるものではない。
唯一映画神が地獄の業火に投げ込む者たちだ。
彼らに仕事をさせた者も同様だ。
理由はアニメや洋画の吹き替えで、アテレコをした人間の顔がいちいち浮かぶのはウザいから、よほどの逸材でなければプロの声優に任せるべきだからだ。
詳しい理由は最近の宮崎駿映画等で熟知すべし。」


又吉イエス コピペジェネレーターを使いました)


あ、そうか。
イノセンス」にあるべきだったシーンはこうだ。
刑事が人形の所有者に聞き込みに行くと、千葉繁の声のもっさいおっさんが数々のメイド型ロボットに囲まれながら人形への愛を真顔で語り出し、止まらなくなってしまう場面だ。
愛玩用ロボットの所有者がどういう心境でロボとどんな生活をしているのかが具体的に描かれなかったのははっきり片手落ちだろう。
寝たきりハッカーん家だってお茶くみロボしかいないし。
犬との生活をあれだけ完璧に描いてみせるんだったら、愛玩用ロボットが正常な状態で可愛く働いているのも描いて、観客に一瞬でも「これは!…いやいやいや…あ…でも…ちょっと…これは…欲しい…」と思わせてしまえば、船の中で愛玩ロボに囲まれてしまう場面は恐怖どころの話ではなかったろうに。
観客が目にするのは出荷前と暴走後の姿だけなのだ。
そういうわけで、皆、千葉繁を忘れがち。
押井守の分身と言えば千葉繁じゃなかったのか。


あああと、皆、伊藤和典のこと忘れがちすぎ。

*1:舞台挨拶に行った人の日記のみだった。