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「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」

面白かった。
もともと自分は「X-MEN」自体に思い入れがないので「か…体が動かな…チャールズ?!何を…!」「いいじゃないかエリック…自分を解放するんだ…フフ…磁力でここがこんなになって…」「や…やめ…!」「おやおや…君のN極は僕のS極を嫌がってないようだよ…」「…あっ…」みたいなことになっても別に構わない(んだけど、まあ一部を除いた大勢の人が構うというか、スタン・リーはマジ切れするよね…)ってくらいのスタンスなんだけど、そして監督の前作「キック・アス」が全然ダメだったんだけど、これはいいね。まあ「いいじゃないかエリック…さあ自分を解放してそのアンテナをこっちに向けて…」ってシーンはあったんだけど、そのくらいにとどまるからこそ妄想も盛り上がるってことだね!
しかし有名な原作コミックの実写化は、子供の頃から原作のファンの人も初めて知る人も両方相手にしないといけなくて難しい上に、さらにこないだまでの映画シリーズの記憶もあるところでさらに難しいんだけども、お手本にしたというこないだの映画版「スター・トレック」並みに、なかなかうまいことやってた。
そもそもこの話、誰をも納得させる強いモチベーションを持ってるのが敵側のマグニートー/エリックいうのが悩ましいところで。どうしたってそっちばっか応援しちゃうっていう。んでブライアン・シンガーの監督した最初の「X-MEN」でも、少年エリックが強制収容所で能力の片鱗を見せる冒頭だけはすごい燃えたんだけど、それが舞台が現代に移ると出てくるのがマント翻して赤いヘルメットかぶった痩せたおじいさんで、カクッとなるという…。その悲しい出自と、その扮装のギャップがどうにも…埋めづらい…何か楽しそうなんだよね…。漫画・アニメのラインならどうとでもなるけど、実写ではなんぼ名優イアン・マッケラン連れてきても…原作の大ファンには悪いけども…個人的な感覚なんだけども…。で、この映画から始まるだろうシリーズは「やはり、あの少年がこういう扮装のじいさんになる、その間に起きたであろうことを埋めていこう!」という感じで出てきた企画だと勝手にお見受けするわけなんだけど、マグニートーに対するプロフェッサーX/チャールズにも何か「それはそうなるわな…」という胸が張り裂けそうな過去エピのひとつやふたつ設定してもよかったんじゃないかな…と。最初から優しい、よく出来た人柄なんだよね。逆にトニー・スタークくらい異常なまでに悩まないようにメーター振り切っちゃうのも手かな…ダメか…。でもまあそれも全部、原作をいじれる具合によるか…難しい…
俳優もそれぞれ、とても良い。

天才テレパスくんのチャールズを演ずるはジェームズ・マカヴォイ。「ウォンテッド」のあいつかぁ。口が「M」って感じだよね。「画像でも貼るか」と検索してたら何枚もこういう「こめかみに人差し指当ててる」写真が出てきて、テレパシー送ってるというよりは何か推理してるみたいに見えてきて、もう彼が主役で「シャーロック・ホームズ・ビギニング」とかどうよって気になってきた。「謎は全て解けた!」



磁力番長エリックはミヒャエル・ファスベンダー。「イングロリアス・バスターズ」でかっこいいなと思ったけど、さらにとめどなくかっこよくて笑った。これはさすがにかっこいいと言わざるをえない。この人がこの役だったからこそ、何かが弾けてこの映画自体が数段上がった感じ。冒頭の孤独なナチ・ハンターの活躍だけで映画一本いってほしいくらい。
「ホームズ・ビギニング」をやるときはやんちゃなワトソン役で。「いいよホームズ、絆創膏くらい自分で貼れるって…ちょっ」



頑張る普通のおねえさん、ローズ・バーン。まあ要はボンドガールですよねこの役。映画のカラーが007だし。下着姿での潜入シーンから出番が始まるなんて、もう本当にありがとうございます!三十路でこの体の張り方、素晴らしいです!観た人はみんな男ばっかり褒めるだろうから、自分くらいは褒めておかないと…!
あっこの人「28週後…」でジェレミー・レナーと一緒に行動する女兵士の役だったんだ!いいキャリア積んでる!



エネルギー吸収さん、ケビン・ベーコンっぽいなあと思ったらケビン・ベーコンだったという(いや誰が出てるとか知らなくて、心の準備が)。「インビジブル」以来のマッドサイエンティスト役をノリノリで演じてるので見てるこっちも何か嬉しくなってくる。例のヘルメットかぶった画像が見つからなくてこれ貼ったけど、かなり似合ってたな。やっぱ人によるのかなー、無茶ブリOKな人でないとかな。エネルギー吸収するときのアバババって体がブレるとこもおかしいよね。クライマックスで体の自由を奪われたときのプルプル震えてるさまが個人的な爆笑ポイント。特殊効果で止まってるように見せるんじゃなくて実際に動き止めてるってwこんな大作でw
小学校のとき、女の先生が掃除の時間に生徒に伝えることがあったけどガヤガヤしてたので、手を上げて人差し指を立てて「時間よ、止まれ!」って言ってそれを合図に全員ピタッと止まったときのことを思い出したよ。打ち合わせなしで全員合わせて、ノリノリだよな子供って。その後先生は言うこと言ったら術を解除して生徒も皆何事もなかったかのように掃除を再開したから、今皆さんが動けてるわけですよ。



CIAの黒ぶちメガネさんはオリヴァー・プラット。どっかで見たよなーと思ってたらそうだ「エグゼクティブ・デシジョン」で幸運のストローくわえてた人だ!まさに使い捨てって感じで死んでかわいそうw


画像は貼らないけど(貼ってやれよ)「赤い瞬間移動さん」を演じたジェイソン・フレミングは「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」あたりからのガイ・リッチー=マシュー・ヴォーン組だね。意思疎通がしやすい(その分メインキャストに時間を割ける)からこの役に起用されたのかな…。「マカヴォイやファスベンダーはファーストクラスだけど監督と僕はエコノミークラスさ。経費削減でね」とか自嘲ぎみなギャグをコメンタリーで言ってほしい。いやそんなわけはないけどもこんな大作で。しかし彼ら脇役ミュータントのクライマックスでのボーっと突っ立ってるぶり、おかしいよね。「あ、じゃあ…」とばかりにマグニートー側になるし、手つないでるし。ボス倒された次の瞬間にw