honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「キック・アス」

不思議なくらいノレず。
近くのカップルの男が率先してウヒャハハ笑ってた(「ここでマカロニとはねぇ!」とか。何だそのしてやられたみたいな言い方は)からすっかり機先を制されたってだけでもなくて。
各所で大評判のヒット・ガールは確かにいいけど、それだけで全部許せるほど凄くいいか?って言われると…そうでもないなと…お話的にはこっちに主眼を置いてグリグリ描くしかないのに、なぜそれやらないですか…という。コミック表現にしても、やりたいならいっそオープニングからキックアスの誕生まで全部それでやっちゃって、ヒットガール登場で実写になり、その回想も実写で、とかでいいっていうか。あんだけのことをしでかすキャラの動機づけにつながる過去を描くのに、コミック表現だけではいかんせん無理がある。
こういう映画はそういうイベントでああいう人の前説、副音声、〆のトークとか何やかや込みで勢いで楽しんじゃうが最善かな…というか、それしかないな…。
あ、ニコラス・ケイジの「30万ドル!?そんな高い銃!…無駄遣いは駄目だって(画面を見て)…カートに入れなさい」は最高だった。


で…
○めんどくさいから「悪」を全部マフィアに統合。刺されるのもマフィアの一員に、撥ねられるのもマフィアの車に。
○クライマックスに直結する主人公の取り柄を設定。せめて機械の取り扱いは超得意くらいでも。
○マフィアのボスの映画館ギャグみたいなのカット。
○ニコラス刑事の奥さんを回想で実写で登場させ、きっちりむごい目に会わせて死なせる。
○模倣ヒーロー全米各地に大量出現。クライマックスで助けにきてほとんど死ぬ。
○よくわからない流れで恋を成就させない。窓から覆面かぶって忍び込んできたんでボコボコにしたら覆面取って実はゲイじゃないって白状した男をなぜにしてその場で抱けるのかという疑問を持たせない。もしくはちょっとくらい間を置く。
○ぽっちゃりに彼女が出来るのにも明確な理由を持たせる。ほんのちょっとでいい。
キック・アスにちゃんと修行させる。
○ビックダディももっと異常なまでに用心深くさせ、それでも駄目だったという流れに。
○前半で出来なかったビルの屋上幅跳びをクライマックスでやらせる。
○元相棒は意外なところでナイスなサポートをしてくれる。
○汚職刑事は実に悪いタイミングでひどいことをしてくる。
○ドアマンも細かく悪いことをしている。というか刺したやつが後にドアマンになるとかでいい。
○とにかくアクションを頑張る。カットを割らないで頑張る。
○父の死を経て、ヒット・ガールの内面もきっちり変化する。
やはり矢が思い切り飛ぶためには、ギリギリと音がするくらい弦を引っ張らなくてはいかんのではないかと。