良かった。とてもチャーミングな作品。
ドリュー・バリモア監督は映画をとても愛してるし、映画の方もドリュー監督を愛しているって感じがすごくする。
「映画に一番必要なのって何ですかね?」ってボンクラな問いをされたら「え、まず女同士がずぶ濡れになっての乱闘でしょ」と素の表情で答えそうなドリュー監督に、深々と頭を下げるしかない。ほらそこのあなた!あなたも頭を下げて!
主役のエレン・ペイジ、ちまっとした顔がいいね。総じてゴツい選手たちの中にあって、すばしこさで抜きん出る華奢な新入りというのも定番ながら説得力があって良し。
そして脇役もそれぞれに素晴らしい。まず何よりカーチャン役な!「ミスト」の狂信者にして扇動者役をノリノリで演じて凄惨な結末を迎えて観客の喝采を浴びてたマーシャ・ゲイ・ハーデンさんじゃないっすか!娘が朝帰りするのを延々アイロンがけして待ち構えてた姿には何かスイッチが入って俺が謝りそうになっちゃったよ。娘のスピーチ原稿を読んだ後の芝居も良かったなー。監督自身も女優だから、こういう芝居をきちんと掬ってほしいとつねづね思ってたんだろうなー。トーチャン役も愛嬌があって見せ場もあっていいし、割り切ってコンテスト快進撃を続けてる、「出来る妹」役の子役もいい。
で、チームメイトの出方もいいよね。登場するなり自販機をボコボコにしてる(たぶんカネ入れたのに出ねえとか、そういうことだと思う。てかそうであってほしい)カナダ出身のマンソン姉妹とかもふいた。一発で覚えちゃうよなー、そういう登場の仕方。彼女らが聾唖(コーチへの文句を手話ですることでそれがわかる)だったりするところとか、そういうとこで国内の類似作品といちいち差がつくんだよなー。あっゾーイ・ベルって「デス・プルーフ」の!ドリュー監督(超楽しそうにチームメイトを演じてる)も、婚約者を皆に紹介するシーン、素晴らしすぎた。ひとつ空けて右隣に座ってたおっさんが実にいい反応をする人で、一緒になって笑ってた。マギー・メイヘム(暴力)さん役は日本でやるとしたら土屋アンナとか、リアル一児の母だよね、絶対に(ちなみに脳内日本版主人公は蒼井優な。連ドラでやるから。)。もちろん一色紗英 でもいい。んで作戦名にいちいちサブタイトルつけてるコーチ(ウィルソン兄弟なんだね)もいいよね。マメだよね。
そんでもってライバル役な!ジュリエット・ルイスな!何作か見逃してるうちに、超久しぶりに見ることに…何ぶりだろ、え、「カリフォルニア」「蜘蛛女」ときて…「フロム・ダスク・ティル・ドーン」以来??同い年なんだよね…
いやー、いいシーン多かったよね。オースティンに行くときの、「自分の街をバスに乗って眺める感じ」とか、すごい分かる。プールでのラブシーンも実に良かったよね!画面に浮遊感と開放感があって!
おまけ・観よう観ようって思うきっかけになった山崎まどかさんのツイート
「ローラーガール・ダイアリー」こと「Whip it!」見てきた。激キュート。ローラー・ダービーの制服がスクールガール風だったり、ガールスカウト風(でもあくまでもパンキッシュ)だったりするのも良かった!
2010-02-24 19:00:13 via web
それと十年ぶりくらいにジュリエット・ルイスが輝いていたよ! 男の子と仲良くなるきっかけがLittle Joyのレコードっていうところはエレン・ペイジらしいけど、唐突にサントラに38スペシャルが入っているところがドリューらしい。あと、ダニエル・ジョンストンのイラスト大フィーチャー
2010-02-24 19:03:04 via web
「ローラーガールズ・ダイアリー」のメモ。エレン・ペイジはまたポリタンクから直飲み(今回はオレンジジュースじゃなくてミルク)、そしてまたハンバーガー(電話じゃなくてバイト先のダイナーのメニューに早食いするとタダになる巨大バーガーがある)
2010-02-25 19:28:44 via web
「ローラー・ガールズ・ダイアリー」の素敵なことのひとつ。実は若い子はエレン・ペイジ一人で、ミニスカ履いてガチで(スタントなしで)ローラー・ゲームに興じている他の女優がイヴとかゾーイ・ベルとかジュリエット・ルイスとか実はイイ年なところ。
2010-03-08 00:39:59 via web
日本でこの企画だとチームは全員十代女子のアイドルですよ。それが悪いわけじゃないけど、オッサンしか喜ばない「女子部活映画」が多すぎる。
2010-03-08 00:42:52 via web
お、さらに。
「ローラーガールズ・ダイアリー」よかったー。可愛いー。かっこいいー! ローラーゲームって初めて知ったよ。女子プロ、というかむしろ泥レスに近い感じが。猥雑さかな?
ローラーゲームをやるのはいわゆるバッドガールらなのだろう。映画でもタトゥーやピアス、髪のメッシュや色づけなどなど。主人公がただの子どもに見えるほどガタイのいい人たちだったなあ。
.@nijimu いや、ローラー・ダービーをやるのは「バッドガール」じゃないんです。彼女たちはパンクな「文化系」。ああいうスタイルは運営を含めて自分の好きなことやるオルタナ女子の特徴なんですよ。。向こうの文化系女子のタトゥー率の高さはものすごいものがあります。
2010-06-10 08:59:18 via web
もちろん「ローラーガールズ・ダイアリー」に出てくるような地方都市ではオルタナであることはバッドなのかもしれないけれど、「不良」的なニュアンスでとらえるとちょっと違うかも。
2010-06-10 09:06:19 via web
ローラー・ダービーが「泥レス」的な猥雑な扱いを受けていたのは70年代で、その頃にはラクウェル・ウェルチ主演の「カンサス・シティの爆弾娘」のような映画があります。キワモノスポーツだけど私の居場所だから頑張る、みたいな。
2010-06-10 09:08:01 via web
それが2000年代に突如「女子が好きな格好をして大いに暴れて楽しむ」スポーツとして復興したのです。メインストリームのスポーツとも、見世物興行とも違う。その文化を描いただけでも、作品として価値がある。隠微な要素はないんですよ。
2010-06-10 09:14:07 via web
朝から何熱くなっているんだって話ですが、「ローラーガールズ・ダイアリー」という映画はそのスポーツが負っている文化と切り離せないもので。
2010-06-10 09:16:58 via web
ニューヨークでも書店員だの、可愛いカフェの店員だの、ブティックで働く子だの、地下鉄で分厚い本を読んでいる女子だの、みんな両腕にすごい勢いでタトゥー入れてた。「タトゥー入れている女子」っていうのが米映画や小説では不良じゃなくて文化系を表す記号、っていうのは覚えていた方がいいかも。
2010-06-10 09:20:00 via web
「かならずしも不良じゃなく」か。だって、いろんなタイプの女の子がタトゥー入れるわけだけから。もちろんバッドガールもいる。
2010-06-10 09:20:56 via web