- 作者: 深巳琳子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/06/30
- メディア: コミック
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美食に目がない(のに全く太らない)悪魔めいた奥様・沈夫人の無理難題に翻弄されまくる気弱な料理人・李三(りさん)。彼は(「不味い物を出したら指を切る」と脅されるとかで)重圧がかかる程に料理の腕が冴え渡る、一風変わった才能の持ち主だったのだ!
沈夫人のセリフとふるまいがいちいち面白く、リアルではこんな人のそばに絶対いたくないけれど、でも実際に李三の立場だったら…と心の奥底にあるマゾヒスティックな気持ちまで呼び覚まされつつ、必要以上に釣られ上手な李三をいじめる沈夫人のサディスティックな気持ちも分かってしまうんで、もう全く目が離せない。夫人のほとんど禅問答みたいな無茶ブリに対する、李三の精神を削りまくった末の返しもなかなか美味い、いや上手いものが多い。
絵柄は、沈夫人だけ見ると花輪和一か伊藤潤二あたりの影響を強く感じる。由紀さおりを若返らせたらこんなかな…と思いつつ読んでる。由紀さおりの演技って「家族ゲーム」でも「ドリフ大爆笑」でも、いつも面白くて好き。
沈夫人と小間使いの愛蓮(あいれん)のやりとりもなかなかよくて、少女マンガ読み込んでる人には「このやりとりはあのマンガみたい」と指摘できそうだけど、あまり読んでないのでパタリロとタマネギくらいしか出てこないのでもどかしい。