honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「僕らのミライへ逆回転」

良かった。こういうシンプソンズ的な、紆余曲折を経まくるコメディは好きだ。

  1. だめな町のだめな住人ジャック・ブラック、高圧電流を浴びて磁気を帯びてしまい、友人モス・デフが留守を預かるレンタルビデオ店のビデオを全部消去してしまう。
  2. 折り悪くそこに客のミア・ファローが来てしまい、店長のダニー・グローバーにチクられることを恐れた二人は、リクエストである「ゴーストバスターズ」を自分たちで撮影してしまおうとする!ミア・ファローが戻る、2時間の間に!うろ覚えのままに!

という感じで始まるお話。
電流を浴びるに至るそもそもの理由づけこそ違和感がある(なんぼこういうコメディにしても、たとえばシンプソンズなら何か納得できつつ爆笑できるネタを投下するはず…と思うとね。ジャック・ブラックがやることだからまあ…って感じでも乗り切れはする)けど、そこからのあれやこれやはかなりおかしい。(どっかの店で借りたDVDをリッピングしてダビングするとかの)現実的な対応でなく、とにもかくにも自分で生産してみようって発想があほらしくも素晴らしい。素晴らしくあほらしい。こういうあほらしさは絶対必要。
クリーニング屋でいきなり女優としてスカウトされてすぐさま(女優兼)プロデューサーとして頭角を現す女の子(を演じる女優さん)がいい。美人とかそういうんじゃ全然ないけど、何かすごくいいぞ。実にチャーミング。この子とのラブがどうこうの話にならないのもいい。「町のみんなが出演すれば短期間に多くのリメーク作品ができる。みんなが幸せの株主になれるのよ!」ってセリフも、かなりグッとくる。
あーそうか、ミシェル・ゴンドリー作品なんだ。だからこんなに工作愛に溢れてんだ。
ワンカットで複数のリメイク作品撮影がどんどん進行していくとこもいい。
またも唐突なゲスト出演のシガニー・ウィーバーに笑う。おお、そんな役で。
そして訪れる挫折の時は涙なくしては見れない。いや、至極もっともなんだけど、それでもそんな…というくらいの仕打ち。
でも、それを踏まえるからこそ、そこからの再出発に燃える。
いや良かったよ。大画面でなくとも、大勢で観るべき作品。