honkyochiblog

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「ダークナイト」

暗黒で良かった。上映時間長くとも、こんだけのカオスを見せてくれれば全然まったく気にならない。
正体を見せろと迫られたり降伏しろと呼びかけられたりが定番の、ウルトラシリーズの前後編に分かれた最終回を一気に観た感じだ。(そういえばビギニングは未見。その前のはさらに未見。ティム・バートンのはリターンズのみレンタルで観た記憶が)
大嘘つきの詭弁使いで信じられないほど頑丈で、全てを馬鹿にし破壊し尽くすヒース・レジャー演じるジョーカーは評判通りの凄い吸引力。
ところどころ苔が生えたような、落ちかけた扮装ふうメイクもまあ、ジャック・ニコルソンのジョーカーと差をつけるゆえか。
キュートな看護婦姿でヒョコヒョコ歩いてる背後で病院ボッコボコに崩壊って一発撮り(だよなあ)シーンも凄くいい。
部下の扮装も揃えず、大掛かりなアジトも特にお気に入りの武器とかもなく、ありきたりな破壊兵器を悪意たっぷりに効果的に運用するのみってのもいちいち現代的で、理に適っていて、湯水のように技術と資金を使いまくるバットマンのアンチテーゼとしてよく出来ている。
まあそのおかげでというか、どうしてもクリスチャン・ベール演じるバットマンが印象弱めになってしまってね。
後半で取る手段がもっと狂気じみていれば違っただろうか?でもなあ、アーロン・正義漢役が多いよ・エッカートのキャラがいるしなあ。だいたい罪被るったって、ちょっとくらい物証が欲しい気がするし。でもバットバイクの出現シーンには噴いた。ありゃすごい。どんな仕組みだよ。
あ、「囚人のジレンマ」を、まんまそのまんまやってみましたって場面もなかなかっした。あの状況に突っ込む剛速球的段取りが素晴らしい。
冒頭だけ出てくるウィリアム・フィクナー、またおいしいな。
執事役のマイケル・ケインも安定した素晴らしさ。
しかしなんつうか、ヒロインの人だけはちょっとこう、どうにかならんかったものか。キャラ造形的にも、キャスティング的にも。
ともあれおすすめ。大画面で観れ。