honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「ブラック・ダリア」

「ブラーック」
「ダリャーッ!」
「…とまあおよそありえない咆哮で始めてみましたが」
「ほんとに見たのかよって第一声だよな。戦隊ものじゃあるまいし」
「ええと、まずは全体的な印象から」
「ダリャーコーポレーション」
「…ジェイムズ・エルロイの原作は刊行当時読んでるんですよ」
「その前にケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』で死体の写真は見てたな」
「あの写真にはビビリましたね」
「で原作だが」
「いやーもう内容見事なほどすっかり忘れてました。当時岡崎京子の『リバース・エッジ』出た頃で続けて読んで、『ストレス爆発の暗黒小説とかって売りだけど…岡崎京子の方が凄いよな』と思ったことだけは覚えてますが」
「刑事ふたりの名前がブランチャードとブライカートって、文字だけの小説だとすごい混同するよな」
「エルロイ原作の『LAコンフィデンシャル』の刑事たちもバズとかバドとかエドとかで軽く混乱したような覚えが」
「まあしかし、デ・パルマ向きの話だったんだな」
「ね!いつもやってそうな、長回しとか金髪と黒髪とか転落とか、かなり詰め込まれてましたよね」
「まあデヴィッド・リンチでも観たい気もするが」
「もうそのまま、『ツイン・ピークス』と『マルホランド・ドライブ』を足した感じになるんでしょうね」
(このへんからネタバレ含みます。注意)
「最初別の事件追ってるんですが、その現場の建物を舐めるようなクレーンショットから…の流れにはドキドキしました」
「一瞬な。『あ!今のあれ!あそこ!』ってな」
黒沢清が言う『思わず画面を指差してしまうようなカット』ですよね」
「あの一瞬を体験するだけでもお得感があるよな」
「でもそれからは、捜査が進んでない気が、主人公が役得炸裂な感じがしてダルくなりますね」
「システマチックに犯人追ってく話じゃねえからなー」
「時代のせいか、科学分析も何もなしですし」
「まあそっちに行くと『羊たちの沈黙』このかたの定番サイコサスペンス的展開だからな。もういい加減、基地外連続猟奇殺人鬼プロファイリングものには地球人は飽き飽きしてるというか」
「掘り尽くされてますからねー」
「だもんで『実際にあった未解決事件』をネタにするのは賢いな」
「ついつい『日本だったら…』と考えちゃうんですが」
「なんだろ。『津山三十人殺し』とかか」
「未解決というか犯人自殺しちゃってるのでまた違うカテゴリって感じですかね。最近の事件では何かないですかね…」
「んー…藤山直美の『顔』は超つまらんかったしなー。そもそも逮捕されて解決してるか」
「あー、リンチ殺人や子供殺しは個人的には映画にしづらいと思うんですよ」
「その心は」
「状況がひっくり返る瞬間が絶対に訪れないからですね。被害者に落ち度のない、何の教訓にもならない、完全に一方的な暴力はどうにも耐えられないというか。自分が、という話ですけども。こないだの関西の学生同士の事件みたいにお互いが抗争の果てに、とか、人間を超越した存在、手段による犯行である、とかまで行けばまあ話に入れるんですが」
「あー、あれじゃね、井の頭公園でバラバラ死体の一部が見つかった実際の事件に着想を得た『OUT』とか。あれは確か未解決」
「あー。その辺かもですね」
「殺人じゃないと宮崎あおいの『初恋』になるわけか」
宮崎あおいが連続殺人鬼に扮する映画はどうですかね?」
「どうもこうも、事務所的に却下だろう。てか見た目ロリな殺人鬼とか、現実にいなくね?」
「いなくたっていいじゃないですか」
「お題を見失ってるぞ」
「実況は相当盛り上がると思うんですよ」
「いや、それより熊田曜子くまぇりに扮する青春映画の方がいい。記憶に新しい今年中に作るべきだ」
「それこそどうもこうもなく却下ですよ!」

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