honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「宇宙戦争」

(地下室に立てこもりながら)
「はいどうもー」
「しっ!大声を出すな!」
「(以下、小声で)まあそんなわけでですね」
「(以下、小声で)DVDには当然、特典映像『そのころ、大阪では…』が付いてるよな?」
「ああ、めちゃめちゃ観たいですね」
「当然のように吉本の芸人総出演かな」
「そうなりますかね」
「当然のように阪神のハッピ着てたりな」
「『こち亀』ばりの分かりやすさですな」
「当然のように道頓堀に叩きこむな。カーネル・サンダースも一緒に叩きこむ。府知事も叩きこむ」
「でしょうねえ。ま、それはそれとして本編ですが…」
「ぬー…」
「さあさあ」
「…なんかもう、根本的なもんだなと」
「根本的な」
「もはや『あそこをこうすれば…』とかじゃねえじゃん、この映画」
「カタルシスなかったって話ですか」
「それも明らかに『あえて』感じさせないようにしてるだろ」
「絵的にはド派手に終始するんですけども」
「盛り上がらせねえんだよな、徹底的に」
ティム・ロビンスのエピソードはさまれると、もうその後何したってスッキリできないですよね」
「何のためにあのミミズみたいなカメラみたいなのから逃げ回ったんだと」
「反撃しようとするの止めといて、結局は反射的に斧振るってますからね」
ティム・ロビンスをああして反撃のための決定的な何を得たってもんでもないしな…あえて言えば何、睡眠取るための静かな環境?」
「圧倒的なむなしさを得てしまいました」
「人間などどうにも無力、ちっぽけなんだとな」
「そもそもトムの『クレーン操作の腕は抜群』ってキャラ設定、生かさないのもわざとですよね?」
「だろうな。『本当の戦争になったらその程度の特技なんか何の役にも』みたいな」
「あれですか、911以降のアメリカの…、みたいな」
「なもんでまあ、地獄絵図はさすがの出来だ」
「『うわあ』という絵は充実してましたね」
「踏み切りが鳴って遮断機が降りたら燃えさかる列車がバシューっとかな」
「川上から死体がたくさんドンブラコとか」
「大量の服だけヒラヒラ降ってくるとか」
「『マイノリティ・リポート』の目玉コロコロみたいに笑えないですよね。全部呆然としてしまう描写です」
反戦映画かっちゅう勢いでな。反戦映画なのかな。なのか」
「『インデペンデンス・デイ』が心底嫌いなんだなあというのはよくわかりました」
「あれが心底嫌いそうな人が作った『マーズ・アタック!』がもうすでにあるのになぁ。『GODZILLA』への怒りがまだ後を引いてるんだろうか」
「レーザーが当たってボフッて炭になってましたが、『マーズ・アタック!』でもあったんで、違う殺し方も見たかったです。ああでもレイティングが上がっちゃうからダメか。PG-13に押さえたとは恐れ入りました」
「血ぃ抜くなら最初の方に大勢炭にしちゃうのもったいないよなぁ。武器持って抵抗するのだけ炭にしちゃえば…ってまあ、三本足の人の理屈推測してもしゃあないか」
「恐怖を感じまくった人間の血の方がクオリティ高いんですかね?」
「どうなんだろな。あ、飛行機落ちてたって場面、あそこ笑った」
「コントでしたね」
「いきなり出てきてバンの中で検証画像見せてくれる取材班もポイント高かったな」
「『スパニッシュ・プリズナー』でもありましたけど、人生で一度くらいはああいう風にいきなり説明されたいですよね」
(つづく)

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