honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

2004年9月1日「出発」

家を出て、東京駅にて同行者のおしゃまんべさんとまず合流、
の前に、東京駅前の金券ショップにて、貰った航空会社の株主優待券を換金。
おお、意外といい金に。これはあれだ、パーッと使おう。
よしまだ時間の余裕もあるし、と八重洲地下街の和幸にて最後の日本食。
朝からとんかつ。ぐふー。悔いはない。
と、食い終わったところにメール。
「傘わすれた」
何ということだ。おしゃま(以下略)さんの傘はただの傘ではないのだ。
ええと、何か、高いんだ。
昔の日本式の…そう和傘だ。たしか蛇の目。紙製だ。
これは今回の行動にちと欠かせないものなのだ。
だがもう戻る時間はない。成田エクスプレスか何かが発車してしまう。合流。
あっ目覚まし時計忘れた。温度計+湿度計も。うわー取りに戻りてえ。
でももう駄目出ちゃう。発車。
というわけで成田空港へ。
久しぶりだな。こんなんだったか、空港って。
航空会社カウンターでしかるべき手続きを経てからみやげ物屋へ。
こういうところには外国人向けのジャポネグッズがあるはず…あった。あっさり。高いもんじゃないけど。こんなもんだべ。
あとは薬屋で龍角散改源を。なぜか日本語名の薬に拘ってしまって。正露丸とか。
んで両替。
「100ドル札は要りますか?」と聞かれ
いらないって言ったらもらえないのかとつい「え、ああ、要ります」と返答。
荷物検査。
何かがX線で引っかかったようだ。何だ。
「…これはボンベですか?」と係員が画面を指差す。
「はい、これはボンベです」
で開けることに。
ドンキで買ったランタンのボンベだ。
「テロ対策の何やかやでこういうのは無理なんだよ分かってくれ!」と
「廃棄します」書類にサインをさせられつつ
ベルトを外してズボンずり落ちながら金属探知機通ったりしてようやく搭乗。エコノミー。
隣は太い腕には入れ墨の巨漢の白人男性。せまい。
離陸。
しかし隣はあまりの落ち着かなさだ。しきりにフライ(略)アテ(略)ントの人に酒を注文してる。顔が赤い。
腕に透明なシートが貼ってある。怪我したのか。どういう怪我だ。
腕毛が凄いなあ。チクチクする。寝られない。
機内放送ではハリポタ3とシュレック2。観てないのに寝られない。
機内食が問答無用で2回くらい出る。いや、問答はしてるんだけど。
10時間くらい飛んだ気がして
着陸。
サンフランシスコ国際空港。「おいでませサンフランシスコへ」
噂に聞く厳しい入国検査を経てようやくアメリカ入国。
滞在する住所がない(車に寝泊りするから)のがそんなに駄目か。
結局適当にヒルトンとか書いちゃってるが。審査係のおっさんが。
さて。移動だ。まだ昼前だ。
関係ないけど警官の銃がオートマチックになってると外国に来たーって感じがするよ。
まずはキャンピングカーをゲットだ。タクシーで行くか。なんか送迎サービスがあった気がするが。
まいっか。
「タクシー」
列の先頭にいたイスラム系の運転手のおっさんに声をかけて荷物を積む。トランクに入りきらん。助手席に。
書類についてたキャンピングカーのレンタル会社への地図を見せて「どうかのう」と聞くと
向こうも下敷きみたいな料金表を見せて「OKOK、だいたいこれくらい」と
料金を示す。125ドル。相場がわからん。まあいいか。
「1時間くらいかかるよー」
遠いなー。簡単に予約が取れるわけだよ。
でこの運転手のおっさんが飛ばすんだ。カーブでGがかかるくらい。
助手席のスーツケースが傾ぐと右手でサッと押さえるのも見事だ。
しかしもはやスーツケースにシートベルトをしたほうがいい。
結局150ドル強。それにええとチップを足すのか…あーすごい上機嫌だ。良いことをしたのか。
さてレンタル会社だ。大きな建物だ。地方で有力な建築会社くらいはあるぞ。
「あのー予約してた者であるよー」
と言ったら受付のインド系女性は怪訝な顔。
「…。あなたたちが予約したのは明日からですよ」

「今日は9月1日です」
うあー
しもたー
あー
ひー
日付変更線ー
越えるからー
同じ日をー
初歩的なー
うあー
「仕方ありませんね。どこかで一晩明かして明日になったらまたどうぞ」
…どこかって?
「さあ?その辺のモーテルとか」

「どうしたのかね?」
「あ、主任(多分)、実は…」
やってきたのは同じくインド系の中年男性。
「フム、なるほど」
どうしましょう?
「こうしましょう。特別に追加特別リミテッド料金を頂くということで」
ああそうなりますか…
「そうなりますな」
そしてそれはイカほど?
「(ソロバン…じゃなかったキーボードをはじいて)こんなもんで」
オー。
高イ、ソレチョト高イ。
「そうですか、残念です。ではこれまでということで…」
あーわかりましたそれでいいです、はい。
「結構。ではこことここにサインを」
サラサラ。
「では係の者をお待ちあれ」
はー。
やってきたのはいかにもなアメリカン、金髪のナイスガイ。
「ハイ!ジャックかなんかです!ボブかもしれません!ヨロシク!」
どうもどうも。

借りる車の周りを全員でまわる。
「ここでこの車のダメージを確認しておくんです!」
返すときにそれと照らし合わせると。
「イエス!きれいなもんでしょう!」
そうっすね。
「じゃあ簡単に操作のしかた説明しますね!これこれこうでこんなかんじ!」
なるほど。だいたいわかりました。というか、だいたいしかわかりませんでし…
「OK!こことここにサインを!」
サラサラ。
「OK!ハバグットゥリッ!」
うーむ。
放任されてしまった。
しかしでかい。
でかい車だ。
あまりにも。
人と比べて割とこう、大きめな車を運転したことある気がするけど、甘かったな。
未知の車幅感覚だ。
エンジンをかけて発進するか…
いやー…
これは…
路肩に一旦寄ろ…
ガリガリガリガリ
ううむ。なんか擦った。
10数メートルしか走ってないのに。
表に出る。
ああ、ドアの下のステップだったか。それならまあ。よくはないが。
再発進。
走ってると成り行きでいきなりフリーウェイに。
なぜか方向は合ってるようだが…
途中ので一旦買い出しをせんと…
一旦フリーウェイ降りるか…
ええとここはどこ…
「あぶない!」

ガチャン
ガッ
助手席側のミラーが吹っ飛んだ
大丈夫?!
「…ちょうど広げて(見てい)た地図に全部当たった。大丈夫」
ふおお
ああ糞。やっちまった
路肩の車に接触だ
ケバブ屋みたいな中型バスの左側サイドミラーに接触だ
面倒くせえことしちまった
近くの店から出てきてこちらにやってくるのは
トルコ系とおぼしきおっさん
「おいおいどうしたんだい?あんたら英語喋れる?」
あー。少し
「そうか。あのな、警察沙汰にはしたくないよ。わかる?
警察はノー。トラブルあると俺、国に送還されちまうんだ。
だいたいあんたらだって面倒だろ?
あんたらの車、ミラーが割れたんだな。
でもうちの車は別に壊れてない。ちっとミラーの向きが変わっただけ。すぐ直る。
てことはこうだ。
あんたらは車をバックさせようとしてポールかなんかにミラーをぶつけた。
そんでミラーが割れた。で俺とあんたらは会ってない。OK?」
なんとなく。
と、おっさんしきりにウインクし始めて
「なわけで、3、でどうか」とニヤニヤ笑っている。
3。
「30ドルってこと?」とおしゃまさん、
「よしそれで」と財布から30ドル出す。
「オー!あんた天使だな!俺の名前はジョーなんとかだ!いや忘れてくれ!いい旅を!」
いなくなった。
まあ何というか、あのおっさん本当にあの車と関係あるのかって気もしてき…
ここはとっとと移動して右側後方の視界を復活させた方がいいな。
どうすっか。とりあえずどっかに駐車せんと。
それにしても運転がひどく困難だ。ミラーがないとここまでやりづらいとは。
ええと。何だ。
ああ、カー用品の店がいいか。
駐車場がせまいな。
するとそこで立ち話してた南方系のあんちゃんが「裏に停めなよ」とジェスチャーしてる。なもんで裏へ。
慎重に停めて店内へ。
店番してたアジア系のにいちゃんアンソニー(胸の名札にそう書いてあった)に
「自分が運転してたらミラー割っちゃったから自分は何とかしたいよ」と相談。
アンソニー、いきなり売り物のミラー(だけのもの)のパッケージを剥がして
渡した枠と比べ始める。いやー剥がす前に比べた方が…まあいいか。
そんで保険会社のサポートデスクに電話してレンタル会社の緊急ダイアルと接続。
そうこうしてるうちにもう夕方だ。
「ええそうです、ポールにぶつけちゃって…」
状況を正確に報告し、今後の対応を決める。
『とりあえず今日のところは応急処置的に何か代わりのミラーをくっつけて、明日またどこか部品が入手出来そうな適当な規模の街の分かりやすい場所で係員と合流して修理するがよい』ということで、
なら通過する街リノで、と話がまとまった。
やはりここでミラーのようなものをつけるべきだな。
アンソニー、ミラーを頼む。
「合点」
大きさの違うミラーを強力そうなガムテで強引に装着。いい手際だ。
よし、まずはここからいちばん近いショッピングモールに移動だ。
さらばだアンソニー
サクラメント中心部、市庁舎かなんかがあるあたりへ移動。
喉が渇いてきた。小腹も空いたような。
ああスターバックスだ。入ろう。
「今晩は。今夜はどんな感じ?」とカウンターの白人のご婦人。
うーん…もはやあんまりファインじゃないしな…と言いよどんでいたら
ご婦人は黒人の同僚女子と顔を見合わせ
「コミュニケーションは難しいわね。コミニュケーションだったかしら」
「ンフ」とか言ってる。
まあいいや。この何とかフラペチーノとこのすごい甘そうな何かをください。
何か文科系の学生が集うような雰囲気だなあここのスタバは。隣の学生も詩とか読んでかねん。
いや、いいんだ、詩を読んでくれ。
飲んだらさっきのカーショップで教わったモールに移動。
うーむ。
駐車場が屋内型なのでこの車では入れないじゃないか。屋根を派手にクラッシュさせてしまう。
それに寸前で気づくとは。
仕方なく搬入トラック用ゲートから入る。いいんだろうか。いいか。
しかしどうもここはデパートみたいだ。デパートじゃショッピングしか出来ない。買い出しがしたいのに。
でもとりあえずGAPで長袖のTシャツと靴下を買う。
この辺は乾燥してるのか、唇が痛くなってきた。
二手に分かれ、歩き回ってそこら一帯を越えてコンビニ的な店をようやく発見。
1ガロンのミネラルウォーターをふたつにトイレットペーパーとか持てるだけ買う。
ここで両替した100ドル札が利いてきた。
あからさまに南米系のレジのあんちゃんが「それはでかすぎるよ」という顔をしている。
なるほど、どおりで要るかどうか聞くわけだ。
よくわからんな。100ドル札は札束にするときだけ必要なものなのか。
合流して、車に運んで、もう一度行ってみるともう閉まってる。20時で閉まるらしい。
駐車場にも長居は出来ない感じだし出発するしかない。リノに向かって。出来るだけ。
そんなわけでフリーウェイに。暗いとまた違う。
ぬー。
ぬー。
あ、眠い。ぼちぼち限界。
レストエリアに入って駐車してブラインド下ろして熱いシャワーを浴びて気絶。