honkyochiblog

さようなら、はてなグループ…

「基地内は花で一杯に」

基地に勤務することになった。
極寒の地だが、基地の中は快適な温度に保たれている。
同僚は男ばかり。男子校に通っていた時のことを思い出すような雰囲気だ。というより、同級生が何人か勤務していた。あまり親しくはなかったが、馬鹿騒ぎの得意な奴らだ。
案の定ここでも毎日のように面白いことを仕出かして退屈な勤務に変化を与えていた。
しかしある日、事態は一変した。
同僚のひとりがいきなり、みるみるうちに内側からはじけ、肉で出来た大きな薔薇の花のようなものに変わってしまったのだ。
なすすべがなかった。
「これってあの映画みたいっていうか、そのものだな」と言う暇もなかった。そういう話をして通じる同僚がいたのか分からない。
そうこうするうちに同僚たちは次々とはじけ、皆、肉の花に変わってしまったから。
居場所もなくなったので、基地の屋上に上がった。
夜だった。
静かだった。
寒くはなかった。
基地の周囲は360度、海に囲まれていて、
ああそういえばここは北極だったよなと思い出した。
電力も途絶えたのか基地の周囲は真っ暗だったが、水平線の際あたりが何箇所か、青く光り輝いていた。
オーロラじゃないようだけど、まあなんにしても綺麗だな」と思ったので、そのまましゃがんで眺めていることにした。